[チョン・ジュリ、イ・ギョンミ]
[映像=韓国航空宇宙研究院公式YouTubeチャンネル]
科学技術情報通信部と韓国航空宇宙研究院は21日、韓国独自の技術で設計・製作した初の国産ロケット「ヌリ号」の打ち上げに成功したと発表した。高度700キロに到達し、衛星の軌道投入に成功した。
2010年にヌリ号開発を開始してからは12年3カ月ぶりのこと。また、1992年に行われた韓国初の衛星「ウリビョル1号」の打ち上げからは30年ぶりであり、2002年の韓国初の液体ロケット「KSR-Ⅲ」の打ち上げからは20年ぶりのこと。
今回の成功を受け韓国は、ロシア・米国・欧州連合・中国・日本・インドに次いで、1トン以上の人工衛星の打ち上げ能力を持つ7番目の国となった。
すべての過程が順調で、打ち上げから42分後に行われた南極世宗基地との交信に成功した。
現在、ダミー衛星と性能検証衛星は、高度700キロを秒速7.5キロの速度で地球を回っている。
去年10月21日に行われた1回目の打ち上げから8カ月ぶりの成功となった。1回目の打ち上げでは、目標高度に到達したものの、衛星を軌道に載せられずに失敗した。
ヌリ号の打ち上げは、1兆9572億ウォンがつぎ込まれた。衛星を打ち上げた75トン級の液体燃料エンジンから、ロケットに搭載された保護用フタのフェアリングまで、すべて韓国が開発した。
科学技術情報通信部の李宗昊(イ・ジョンホ)長官は記者会見で「今回の打ち上げにより、韓国は実用衛星を自力で打ち上げる技術を保有する7番目の国になった。これは、歴史的にも意味がある」とし、「他国に打ち上げ場所やロケットを借りずに、韓国が行きたい時に宇宙に向かうことができる足場を作ったと強調した。
また「政府は、ヌリ号の開発経験や技術を土台に、性能をよりアップした宇宙ロケットの開発を進め、韓国の打ち上げ能力をさらに向上させていく」と述べた。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は「韓国の地から宇宙への道が開けた」とし、「30年におよぶ至難の挑戦の産物」と評価した。
羅老宇宙センターから打ち上げられた韓国国産ロケット「ヌリ号」=韓国航空宇宙研究院=21日、羅老宇宙センター、科学技術情報通信部