[パク・ヘリ]
[写真=科学技術情報通信部]
[映像=韓国航空宇宙研究院YouTubeチャンネル]
韓国初の月探査機「タヌリ」が韓国宇宙開発史上初めて月の裏側を撮影することに成功した。
科学技術情報通信部と韓国航空宇宙研究院は12日、去年8月5日に打ち上げられたタヌリが撮影した月の高解像度映像と写真を公開した。
月の裏側は、地球の地上から確認されないところで、宇宙探査機を打ち上げなければ観測することができない。米国やロシアなどが月を探査する時、月の裏側を写真で撮影したことはあるが、韓国の探査機が月の裏側を撮影したのは今回が初めて。
タヌリは、搭載されている高解像度カメラ(LUTI)で、先月22日にはツィオルコフスキー・クレーター(惑星・衛星の表面にみられる、噴火口のように円型にくぼんだ地形)、24日には シュレーディンガー谷とシラードクレーターを撮影した。
ツィオルコフスキー・クレーター
ツィオルコフスキー・クレーターは直径約180キロのクレーターで、ロシア(旧ソ連)物理学者のコンスタンチン・ツィオルコフスキーの名前を取って名付けられた。タヌリが撮影した映像には、火山活動や隕石衝突によりできた高さ3200メートルの中央峰がはっきり捉えられている。
シュレーディンガー谷とシラードクレーターは、タヌリが月の軌道を1000回空転した日に撮影された。
シュレーディンガー谷
シラード・クレーター
月の南極付近にあるシュレーディンガー谷は、直径約3200キロで、衝突によってできた2種のリングを持っている。
シラード・クレーターは直径23キロで、周りの輪の部分が後続衝撃で変形している。
広視野偏光カメラが撮影したWichmannクレーターの写真も公開した。広視野偏光カメラは、月表面の地形の特性によって変わる光の反射という特徴を利用し、月表面の粒子の種類を把握する。
科学技術情報通信部によると、映像は補正作業を行った後、一般公開する。広視野偏光カメラから送られた観測資料は、世界初となる月面全体の偏光地図の製作に活用され、来年1月に公開予定である。
同部は12日から、タヌリ専用のホームページ(
www.kari.re.kr/kplo)で、タヌリが観測した資料を公開し、月軌道上のタヌリの今の位置が確認できるサービスを提供する予定だ。
hrhr@korea.kr