13日付の中央日報ではトップ記事を「『Blowin in the wind』のボブ・ディラン、ノーベル賞の詩人に」のタイトルで彼の受賞を詳しく報じた
アメリカのボブ・ディラン(Bob Dylan、75)が2016年のノーベル文学賞受賞者に決まった。スウェーデン・アカデミーは13日(現地時間)、「米国音楽の偉大な伝統の中に新たな詩的表現を創造したディランにノーベル文学賞を授与する。ディランはビート派初期の作家やモダニズム詩人らの影響により人間の社会的な環境、宗教、政治、愛をテーマにした数多くのアルバムを発表し、彼の歌詞は長い間叙情詩分野の書籍として出版され続けた。俳優・画家・シナリオ作家など、アーティストして多方面にわたり大活躍してきた」と選定の理由を明かした。
東亜日報の13日付トップ記事はディランのノーベル文学賞授賞について彼の代表曲『Blowin in the wind』の歌詞を引用して評価している
韓国のメディア各社はディランの受賞を1面と解説面を使って大きく取り上げた。詩人より歌手として有名な彼がノーベル文学賞の受賞者に決まると東亜日報は13日付け記事に彼の代表曲『Blowin in the wind』(日本語タイトル:『風に吹かれて』)の歌詞を引用してタイトルをつけた。同日、京郷新聞はトップ記事で「吟遊詩人のボブ・ディラン、ノーベル文学賞を手に」とのタイトルでミュージシャンが文学賞を授賞するのは1901年にノーベル賞制定から115年目にして初めてのことだと説明した。
1941年にアメリカのユダヤ人の家庭で生まれた彼の本名はロバート・アレン・ツィンマーマン(ヘブライ語では シャブタイ・ツィメルマン・アブラハム)。1960年代から米国の現実社会に存在する不条理を批判し、反戦と平和を歌うことで社会問題に声を上げる抵抗のミュージシャンとして世界に強い印象を与えた。彼の影響は同時代の韓国にも及び、ハン・デス、キム・ミンギ、ヤン・ヒウン、ヤン・ビョンジプ、ソ・ユソクなど1970年代の韓国フォークソング歌手らに多大な影響を与えた。それより10年以上も後にデビューしたキム・グァンソクはディランの『Don't Think Twice It's All Right』を『2輪で行く自動車』に翻案して発表したこともある。
中央日報もトップ記事を「『Blowin’ in the wind』のボブ・ディラン、ノーベル賞詩人になる」とのタイトルの下、「彼は韓国の学生運動にも影響を与えた『Blowin’ in the wind』などで社会像を表す反体制的な歌詞を書いた」と評価した。同紙は「ボブ・ディランがノーベル文学賞を授賞した初めてのミュージシャンになることにより、文化史の新たなページを切り開いた」と意味づけた。
授賞式はアルフレッド・ノーベルが他界した12月10日に開催される予定。
コリアネット ウィ・テックァン記者
翻訳:イム・ユジン
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