文化

2014.05.01

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5月はオペラファンをワクワクさせる月だ。今年で5回目を数える「大韓民国オペラ・フェスティバル」がソウルの芸術の殿堂で開かれる。同フェスティバルは、欲望に駆られたサロメや夫を待ち続けて自ら命を絶つ蝶々夫人、当代の英雄サムソンを誘惑したデリラ、真実の愛を追い求めて慣習に立ち向かうソヒャンなど、運命的な愛に落ちた女主人公たちを描いた作品で構成されているのが特徴だ。

ドイツの作曲家リヒャルト・シュトラウス(R. Strauss)の生誕150周年を記念して5月2日~4日に上演される「サロメ(Salome)」は、聖書に登場する欲望の化身「サロメ」を描いた作品だ。ヨハネの美しい声と外貌に魅了されたサロメが彼の首を求めて義父のヘロデ王を誘惑するために歌う「七つのヴェールの踊り(Tanz der Sieben Schleier)」といったアリアでよく知られている。今回の作品は、イタリアのローマ歌劇場とアレーナ・ディ・ヴェローナ(野外劇場)で活躍したマウリツィオ・ディ・マッティア(Maurizio di Mattia)氏が演出を手がけた。彼は、原作の時代的背景を超えた2114年の未来を背景に、控え目でありつつも荘厳な舞台をつくり上げた。   

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개막작 '살로메'(위)와 '루갈다'(아래)의 한 장면 (사진: 예술의전당)

開幕作「サロメ」(上)とルガルダ(下)のワンシーン(写真提供:芸術の殿堂)



2013年に湖南オペラ団によって初演された「ルガルダ(Lutgarda)」は、オペラとパンソリを融合させた作品で、3年の企画と創作期間で完成度の高い作品に仕上がっている。5月9・10日に上演されるこの作品は、朝鮮半島にカトリックが伝来する過程で発生した1801年の辛酉迫害を背景としている。信仰のために童貞を守ろうとしたヨハネとルガルダが形式的に結婚した後、欲望と信仰と死の狭間で葛藤する姿が描かれている。

代表的なレパートリー「蝶々夫人(Madame Butterfly)」は、米海軍将校と芸者の恋を描いた作品で、観覧客に最も人気の高いオペラの一つだ。グローリア・オペラ団が5月16・17日に上演するこの作品は、恋愛、待ち侘び、裏切り、絶望、死と続く蝶々夫人の運命が美しい旋律で描写されている。夫は戻ってくると信じる気持ちが込められた「ある晴れた日に(Un bel di vedremo)」や蝶々夫人が夜を徹して夫を待ち続ける様子を歌った「ハミング・コーラス(Coro a bocca chiusa)」などプッチーニの情感あふれるアリアが披露される。今回の公演は、イタリアのプッチーニ・フェスティバルの芸術監督を務めたダニエーレ・デ・プラノ(Daniele de Plano)氏が演出し、画家の安藤廣重氏の作品が真っ白な舞台の上に映像で映される。   

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푸치니의 오페라 '나비부인'(위)과 생상스의 '삼손과 데릴라'(아래)의 한 장면 (사진: 예술의전당)

プッチーニのオペラ「蝶々夫人」(上)とサン・サーンスの「サムソンとデリラ」(下)のワンシーン(写真提供:芸術の殿堂)



カンファジャ・ベセット・オペラ団が5月23日~25日に上演するフランスの作曲家サン・サーンス(Charles Camille Saint-Saens)氏の「サムソンとデリラ(Samson et Dalila)」は、旧約聖書に登場する物語を描いている。デリラが、自身の誘惑に負けて愛を誓うサムソンに歌う「あなたの声で心は開く(Mon coeur s'ouvre a ta voix)」とサムソンが神殿を崩そうと官能的に踊る「バッカナール(Bacchanale)」は圧巻だ。チェコのジリ・ミクラ(Jiri Mikula)氏とイタリアのエンリコ・カスティリオーニ(Enrico Castiglione)氏がそれぞれ指揮と演出を務める。

5月31日と6月1日に閉幕作として上演される「ソウル・メイト(Soul Mate)」は、主人公ソヒャンが真実の愛を追い求めて慣習的な結婚制度に立ち向かう姿を描いた作品だ。喜劇「孟進士宅の慶事」を原作に国立オペラ団が2006年にドイツ・フランクフルトで初演して以来、日本と中国で相次いで上演された。当時、ドイツのメディアは、「プッチーニを超える作品」「豊かな韓国文化とヨーロッパ風の要素の理想的な組み合わせ」と称賛した。洋楽と国楽が調和したこの作品は、一枚の絵のような盛大な婚礼のシーンが大きな見どころだ。   

폐막작 '천생연분'은 관습에 맞서 사랑을 이루는 서향을 그린 작품이다. (사진: 예술의전당)

閉幕作「ソウル・メイト」は、真実の愛を追い求めて慣習的な結婚制度に立ち向かうソヒャンを描いた作品だ(写真提供:芸術の殿堂)



昨年大好評だった野外公演が、芸術の殿堂の新世界スクエア野外ステージで開かれる。5月17日と24日の午後6時に上演される公演は、大衆に馴染みのオペラアリアを無料で鑑賞できる機会になりそうだ。公演及びチケット購入に関する内容は、電話(02-580-1300)かホームページ(www.sacticket.co.kr)にお問い合わせください。  

오페라페스티벌의 포스터 (이미지: 예술의전당)

オペラ・フェスティバルのポスター(画像:芸術の殿堂)




コリアネット イム・ジェオン記者
jun2@korea.kr