
フランスのオリジナルキャストによるミュージカル『アマデウス』は、18世紀を代表する作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの生涯を歌とダンスで描き上げる
35歳の若さで世を去ったヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756~1791)は、生涯でクラシック音楽の全ジャンルにわたり600曲を超える作品を残した。オペラ、協奏曲、交響曲、ソナタに至るまで彼の音楽は多岐にわたり、芸術的で美しい。西洋音楽史の天才作曲家と呼ばれるのはそのためだ。
そんなモーツァルトが「ロックスター」に生まれ変わり舞台に立つ。
聞き慣れたクラシックの旋律と強烈なロックサウンドで舞台を埋め尽くす、フランスのオリジナルキャストによるミュージカル『アマデウス』は、18世紀を代表する作曲家モーツァルトの生涯を歌とダンスで描き上げた。11日から世宗(セジョン)文化会館で幕を開けたこの舞台は、4月24日まで華麗なロココ衣装と現代舞踊からバレエまでをカバーする振り付けで観客の目を楽しませる。

ミュージカル『アマデウス』の各シーンは、18世紀ヨーロッパの華麗な衣装と照明により劇的な効果を醸し出す
舞台の第1幕は、1772年にオーストリア・ザルツブルクで行われたコロレド大司教の着座式から始まる。新任の大司教は自由奔放なモーツァルトを抑圧し蔑視する。これに耐えかねたモーツァルトは音楽の旅に出て、旅路で初恋の相手アロイジアに出会う。それから彼は修行のためパリへ向かうが、パリで母親を病気で亡くしてしまう。その後、ザルツブルクに戻ったモーツァルト。第2幕からは観客もよく知るサリエリとのライバル争いやモーツァルトの死に焦点が当てられる。ザルツブルクを離れウィーンに定着したモーツァルトは皇帝の寵愛を受けながら次々と名作を生み出すが、サリエリの策略により華やかだった人生は一転、父親の死まで重なり、モーツァルトは自らの死を予感し葬送曲「レクイエム」の作曲に没頭する。
ミュージカル『アマデウス』はフランスの制作者アルベール・コーエン(Albert Cohen)とドーヴ・アッティア(Dove Attia)が1984年に公開されたミロス・フォアマン監督の映画『アマデウス』からヒントを得て作ったもの。ここに『ラヴィアンローズ』のオリヴィエ・ダアン監督の演出とダニエル・スチュワートによる振り付けが加わり、ロックミュージカル『アマデウス』が誕生した。

ミュージカル『アマデウス』は人間、モーツァルトの内面と実際の生涯を舞台に甦らせる
このミュージカルは「人間、モーツァルト」の苦悩、愛、絶望、成功そして死に至るまでの生涯を舞台に甦らせる。映画で表現された彼の天才性や誇張されたジェスチャーはほとんど見当たらない。サリエリもまた、人間的な面が強調されていてリアリティ高い演出となっている。
この度の公演では、2009年のフランス初演当時モーツァルト役を完璧にこなしたミケランジェロ・ロコンテが来韓、韓国国内では『ノートルダム・ド・パリ』でフェビュス役を演じたことで知られるローラン・バンがサリエリ役に合流し、モーツァルトとサリエリの対立が一段と鋭く演出される予定だ。
公演の詳細は下記のURLから確認可能。
http://www.sejongpac.or.kr/performance/view.asp?performIdx=25249&performCode=grpm1512241309001&menuNum=0101
コリアネット イ・ハナ記者
翻訳:イ・ジンヒョン
写真:マストエンターテインメント
hlee10@korea.kr