文化

2016.04.12

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韓国の古典『洪吉同伝』の英語版(The Story of Hong Gildong)が3月に米国で発刊された



「韓国版ロビン・フッド」

米紙ワシントンポストは、3月にアメリカで発刊された『洪吉同伝(ホンギルトンジョン)』をこう紹介した。

世界各国の古典文学を刊行することで知られる「ペンギンクラシック」シリーズは、韓国の古典としては初めて『洪吉同伝』を紹介した。これまでの70年で「ペンギンクラシック」はホメロスの『オデュッセイア』、ダンテの『神曲』、屈原の詩など世界的な古典の良書を紹介してきた。

『洪吉同伝』は朝鮮の光海君(クァンヘグン、1575~1641、在位1608~1623)の頃に許筠(ホ・ギュン)が書いた初のハングル小説だ。厳格な身分社会だった朝鮮で両班(ヤンバン、官僚機構・支配機構を担った身分階級)に庶子として生まれた洪吉同は頭脳明晰なうえ武芸にも優れていたが出世の道が閉ざされていた。身分の低い母親から生まれた庶子であったため、官職はもちろん、家でも父親を父親と呼ぶことが禁じられていた。そんな差別を受けながら成長した洪吉同は結局家を飛び出し、腐敗した官僚たちから金品を奪う義賊として活躍するというのが『洪吉同伝』のストーリーだ。そのため、ストーリーの似ている『ロビン・フッド』と比べられている。

『洪吉同伝』に対する米国の反応は全体的に好評だ。
批評家のマイケル・ディルダ(Michael Dirda)はワシントンポストで「驚異的な活劇」と評し、韓国では本・映画・ドラマ・漫画などで何度も脚色された作品だと紹介した。

米ラジオ放送局NPRは「洪吉同」をギャツビーやスーパーマンと比較しながら紹介した。NPRは「架空のキャラクターが一国の自意識を投影することもある。アメリカ人にとってスーパーマンやギャツビーがそのようなキャラクターだとしたら、韓国では洪吉同がそんな存在だ」と伝えた。

コリアネット チャン・ヨジョン記者
写真:韓国文学翻訳院
翻訳:イ・ジンヒョン
icchang@korea.kr