カレトクを食べやすいサイズに切って牛肉や様々な野菜を入れて作ったトクチムは、国王のお膳にも乗っていた高級料理。よく「宮廷トッポギ」と呼ばれるが、それは朝鮮末期に宮廷で白い餅にロース、ごま油、醤油、長ネギ、マンナゴケ、松の実、ごま塩などで料理を作って食べたという記録が残っているからだ。昔は「トッポギ」ではなく「トクチム」「トクチャプチェ」「トクチョンゴル」と呼ばれた。
現代の代表的なストリートフードで、人気間食でもある「トッポギ」は辛いコチュジャンの味が特徴とされるが、本来のトッポギは辛い料理ではなかった。宮廷で親しまれたトッポギは白い餅に牛肉、キノコ、様々な野菜を醤油で煮込んで作ったもの。この料理はシイタケの「黒」、タマネギや卵の黄身と白身の薄焼きの「白」と「黄」、ニンジンと唐辛子の「赤」、青唐辛子の「緑」などの多様な色により味だけでなく視覚的にも楽しめるのはもちろん、多様な栄養素をバランスよく摂ることができる。
トクチムは朝鮮時代に宮廷で親しまれたトッポギで、白い餅と牛肉、様々な野菜を一緒に入れて醤油で煮込んだ料理。肉を食べても胃腸に負担を与えないようにして国王に進上した
コチュジャンが入った赤いトッポギは1950年代以降に登場したもの。コチュジャンのトッポギが流行り始めたのは1970年代、庶民向けの軽食として作られてからのことだった。初期のトッポギには高価な米の餅の変わりに主に小麦粉の餅が使われ、オムク(練り物)も入り最高の軽食として人気を博した。
**材料と分量白い餅 300g
油醤: 醤油 3g(小さじ ½)、ごま油 4g(小さじ ½)
ひき肉(牛の外もも肉) 40g
ソース①: 醤油 6g(小さじ 1)、砂糖 2g(小さじ ½)、長ネギ 2.3g(みじん切り、小さじ ½)、ニンニク 1.4g(みじん切り、小さじ 1/4)、ごま塩 1g(小さじ ½)、こしょう 0.1g、ごま油 4g(小さじ 1)
ニンジン 60g、水 400g(2カップ)、塩 1g(小さじ 1/4)
干しシイタケ 5g(1枚)、栗 60g(4個)
ナツメ 16g(4個)、銀杏 24g(12個)、松の実 3.5g(小さじ 1)
ソース②: 醤油 27g(大さじ ½)、砂糖12g(大さじ1)、長ネギ 7g(みじん切り、大さじ ½)、ニンニク 5.5g(みじん切り、小さじ 1)、ごま塩 2g(小さじ 1)、ごま油 6.5g(大さじ ½)
卵 60g(個)、セリ 20g、小麦粉 3.5g(大さじ ½)、サラダ油 13g(大さじ 1)
トクチムの主材料の白い餅と牛肉(外もも肉)、ニンジン、栗、ナツメ、松の実、銀杏、長ネギ、キノコ
**材料の下準備
1. 白い餅は長さ6cm程度に切り、両端の1cmを除いて横長に4カ所に切り込みを入れてから、油醤で味付けをする。
2. 牛肉とひき肉は血を拭き、ソース①を半分ほど入れて味付けする。
3. ニンジンは皮をむいてきれいに洗ってから横・縦2.5cmに切って面取りをする。シイタケは水で1時間ほど戻して、石づきを取って水を切り2~4等分する。
4. 栗は皮を剥いて、ナツメは布で拭いてから螺旋状に切って丸める。予熱したフライパンに油を引き銀杏を入れて中火で2分ほど炒って皮を剥く。松の実は胚芽を取り布で拭く。
5. ソース②を作る。
6. 卵は黄身と白身の薄焼きにし、セリは小さいチヂミにして2cm程度のひし形に切る。
**作り方
1. 白い餅の切込みに牛ひき肉を詰める。
2. 鍋に牛肉と水を入れて、強火にかけて沸騰したら中火にして30分ほど煮込む。牛肉を出して横2cm・3cm・厚さ0.7cmに切り、ソース①の残りをかけて味付けをする。だし汁は冷ましてから布で濾してスープを作る。
3. 鍋に牛肉とニンジン・シイタケ・栗を入れ、そこにスープとソース②を半分ほど入れる。強火で5分ほど過熱してから白い餅とナツメ、残りのソース②をかける。中火でさらに13分ほど煮込んでから銀杏と松の実を入れてよく混ぜる。
4. 器に盛り付けて黄身と白身の薄焼きとセリのチヂミを乗せる。
編集:コリアネット ユン・ソジョン記者
写真:コリアネット チョン・ハン記者
資料:美しい韓国料理100選
翻訳:イム・ユジン
arete@korea.kr
白い餅の切り込みに牛ひき肉を詰める。餅が硬くなった場合は軽くゆでて柔らかくしてから行う
鍋に白い餅とナツメ、ソース②を入れて中火に13分間かける
鍋に銀杏と松の実を入れてよく混ぜてから器に盛り付け、黄身と白身の薄焼きとセリのチヂミを乗せる。最初から餅を入れると裂ける恐れがあるので注意すること