文化

2016.09.13

アニッシュ・カプーアは自分の作品が「何を意味するのか」を聞く質問には興味がないという。彼は作品とそれが置かれた空間がどのように調和するのか、それを見る人がどのように受け入れるのかに関する考えを作品に反映する

アニッシュ・カプーアは自分の作品が「何を意味するのか」を聞く質問には興味がないという。彼は作品とそれが置かれた空間がどのように調和するのか、それを見る人がどのように受け入れるのかという考えを作品に反映させる





円筒でも四角の柱でもない、ねじれ歪んだステンレスの柱が一列に並んでいる。鏡のようにピカピカの柱の表面には潰されたり細長くなった観覧客の姿が映しだされる。

イギリスの彫刻家、アニッシュ・カプーア(Anish Kapoor、1954~ )の『非物質性(Non-object)』、別名「ツイスト」シリーズが韓国で初めて公開された。ソウル昭格洞(ソギョクドン)所在の国際ギャラリーで先月31日から10月30日まで開催される「群雲(Gathering Clouds)」展では『非物質性』の連作15点と『群雲』4点など彼の最新作19点が鑑賞できる。『非物質性』連作は高さ2.5m程度の大型作品3点と高さ60cmの12点から成る。それぞれの柱は幾何学的でありながらも有機的な立体美をもっている。

『群雲』は空間・形態・色彩が醸し出す調和を表現している

『群雲』は空間・形態・色彩が醸し出す調和を表現している





一緒に展示された『群雲』シリーズはそれぞれ『群雲I、II、III、IV』と名付けられ、ガラス繊維でできた凹んだ円盤の形をしている。内側は黒の顔料が塗られているため、どれだけ凹んでいるのか容易に推し量ることはできない。

国際ギャラリーの関係者は「『群雲』と『非物質性』連作は作品の材料と形態を上手にコントロールしながら作家独特のイメージの反射と歪み、転換により時空感覚の裏側にある霊的で本質的な部分に近付こうと努力してきたカプーアの世界観を覗き見ることができる特別な機会になるはず」と述べた。

先月31日から国際ギャラリーで開催中の『群雲』展に展示されたアニッシュ・カプーアの『非物質性』連作

先月31日から国際ギャラリーで開催中の『群雲』展に展示されたアニッシュ・カプーアの『非物質性』連作





カプーアはインド・ムンバイ生まれで、イギリスで彫刻を学び作品活動を展開している。1990年にはベニスビエンナーレで「Premio Duemila賞」を、翌年にはイギリスの「ターナー賞」を受賞し国際的な名声を得た。シカゴのミレニアム公園に設置された巨大な豆の形の『クラウド・ゲート』と2012年に開催されたロンドンオリンピックの記念造形『アルセロールミッタル・オービット』も彼の作品。韓国では2003年と2008年に個展が、2012年に回顧展が開催された。

コリアネット チャン・ヨジョン記者
写真:国際ギャラリー
翻訳:イム・ユジン
icchang@korea.kr