文化

2016.11.18

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「長期間服用すると血行が良くなり体を軽くし老化を防ぐ。胃腸をなだめ五腸の働きを助け四肢の均衡を保つ。風邪、頭痛、めまいにもよく効く」

これは中国・明代の李時珍(1518∼1593)が書いた薬学書『本草綱目』に登場する菊の効果である。

菊は韓国でよく見かける代表的な秋の花。

見た目が良いだけでなく薬用効果もある花で、菊の花チヂミや菊酒など食用としても親しまれてきた。朝鮮後期の歳時風俗(季節の風習)を記録した書籍『東国歲時記』(1849)には「(旧暦)9月9日の重陽節には菊で餅と酒を作って食べる風習がある」と記されている。

菊酒は体を軽くして精神を安定させる清血解毒と抹消血管を拡張させる効果があり、昔から「長寿酒」として愛されてきた。乾いた甘菊を発酵させて作った菊酒を一口含むと、甘酸っぱい味とかすかな菊の香りが口いっぱいに広がる。

菊酒は菊の花チヂミとともに晩秋の趣を楽しめる韓国の節句料理

菊酒は菊の花チヂミとともに晩秋の趣を楽しめる韓国の節句料理





**材料
もち米 1 kg、麹 200g、菊 20g、沸騰させて冷やした水 1.2リットル

菊酒の主材料の甘菊、水、もち米、麹

菊酒の主材料の甘菊、水、もち米、麹





**作り方
1. 米はきれいに洗って5時間以上水でふやかす。
2. ふやかした米は1時間程度水気を切る。
3. 十分に蒸気が出ている蒸し器に米を入れて40分間蒸す。
4. 冷やした強飯と麹、菊を入れてよく混ぜ合わせ、消毒した壺に入れる。
5. 23~25度の温度で10~15日間発酵させる。
6. 発酵が終わった酒は簀立(伝統酒をろ過させる竹筒の形状をした道具)を差し込んで1日ほど置いてから中央に透明な酒が溜まったら採酒する。

蒸した強飯に乾いた菊と麹の粉末を入れて混ぜる

蒸した強飯に乾いた菊と麹の粉末を入れて混ぜる




強飯と甘菊、麹を水に入れて混ぜる。このとき米が傷むと酒が濁ってしまうのでやさしく混ぜるよう注意すること

強飯と甘菊、麹を水に入れて混ぜる。このとき米が傷むと酒が濁ってしまうのでやさしく混ぜるよう注意すること




発酵が終わった酒に簀立を差し込んで1日ほど置く。簀立の中央にきれいな酒が溜まったら採酒する

発酵が終わった酒に簀立を差し込んで1日ほど置く。簀立の中央にきれいな酒が溜まったら採酒する





編集:コリアネット ユン・ソジョン記者
写真:コリアネット チョン・ハン記者
協力:韓国伝統飲食研究所
翻訳:イム・ユジン
arete@korea.kr