城山日出峰の頂上に登った人々が周辺の風景を写真に撮っている。ここでは、広い盆地と草原のように広がる噴火口が一望できる
幅広い年代の男女が山に登る。
登山靴やスニーカー、ハイヒールなどいろいろな履物、色とりどりの服装、そして国籍も様々だ。
はあはあ言いながら登山客が向かう目的地は、済州島の日が昇る「オルム」城山日出峰だ。「オルム」とは、それぞれ噴火口を持つ小さな火山体のことだ。
城山日出峰に向かう途中で、多くの人が足を止めて風景を観賞している
標高182メートルの高さに傾斜もかなり険しいが、登山道はきちんと整備されており、体力的にはきつくても頂上まで登るのはそれほど困難ではない。途中で所々に設置された展望台から済州島ならではの風景を眺め、吹いてくる海風に体を預ければ、流れる汗はいつの間にか乾いている。
頂上に登ると、目の前に広がる光景に思わずため息が漏れる。数千年もの間、風にさらされて削られた約100の岩が王冠のように取り囲む中に、3万坪の広大な草原のように広がる盆地はまるで巨大な城のようだ。山の形が城のようで、頂上から望む日の出が荘厳であることから「城山日出峰」と呼ばれるようになったわけがよくわかる。頂上に立った人々は、景色を鑑賞しながら、自国の言葉でそれぞれ感想を話す。
城山日出峰は、100余りの岩に囲まれた山が城のような形をし、日の出が荘厳なことから、こう呼ばれるようになった
済州島の北東部にある城山日出峰は、海の真ん中で火山が水中爆発することによってできた
城山日出峰は5千年前、海の真ん中の海底で火山が水中爆発することによってできた。どんぶりのような形をした巨大な噴火口が特徴だ。ここは、済州島の火山地形を示す代表的なものの一つだ。波で浸食され、はっきりと現れた堆積層の断面も美しさを演出している。
城山日出峰の進入路の横に広がる草原では、済州島のシンボルの小馬に乗ることができる
城山日出峰の下り道に沿って下りていくと見えてくる海岸線
長い歳月をかけて自然と風、水と火がつくり出した城山日出峰の神秘的な姿は、頂上から眺めると絶景だ。頂上の観覧台に腰を下ろし、海風を浴びていると日頃の悩みなど忘れてしまいそうだ。頂上でしばし憩いを楽しみ、下りてくる人々の足取りは軽い。二手に分かれていてどちらかを選択できる下り道は、左に行った草原では済州小馬の乗馬体験を楽しむ人々が見え、右には曲がりくねった玄武岩の海岸がある。ここでは、海女によるパフォーマンスを観賞することもできる。
記事:コリアネット ユン・ソジョン記者
写真:コリアネット チョン・ハン記者
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