韓国旅行は一人でも楽しい。

韓国では一人で旅をしたり食事をしたり映画を見るなど、一人の時間を楽しむいわゆるヨーロー(YOLO)族が社会現象の１つになっている。「ヨーロー」とは「You Only Live Once(人生は一度きり)」の略語で、自分の幸せのために今を楽しむ消費スタイルを意味する。ひとりごはん、ひとり酒、ひとり旅を楽しむ若者をターゲットにした店もあちこちで現れている。

これさえ知っておけばひとり旅でも韓国旅行を満喫できるはずだ。



ソウル・新村(シンチョン)の大学街にある小さなラーメン屋「一麵」。ここは各テーブルにしきりが仕切られた1人客向けの店として有名だ。座席が20席しかないこの小さな店には３つのエリアがある。そのうち２つはひとりごはんの客、１つは2人で食べる客が座るスペースだ。

店に入ると入り口の隣にある券売機が真っ先に客を出迎える。ここで6千ウォン代からのメニューを選択してお金を入れると食券が出てくる。そしてしきりで仕切られた1人席に座ると正面のカーテンがめくり上げられ食券を求める店員の手だけが現れる。隣に座った客の顔も見えない。お水もそれぞれの席にある給水口から注いで飲むことになっている。しばらくして料理が出てくると正面のカーテンが下ろされる。周りの視線を意識することなく一人だけの食事を満喫できる時間なのだ。





一麵のヒョン・ヤンベシェフは「ここはひとりごはんやひとり酒といった一人の時間を楽しむトレンドにぴったりの店。しきりがあるので誰にも邪魔されずゆったりとラーメンを食べられる。平日はお客さんのほとんどが1人客であるほど良い反応を得ている。朝から1人席が満席になるくらいで、とくに女性客が多い」と説明する。



一人で焼肉を楽しめる店もある。弘大入口(ホンデイック)駅の近くにある一人客向けの焼肉屋「ペッチャン」では、カウンター席に座ると1人客専用の火鉢に1人前のお肉を出してくれる。このような1人客向けの焼肉屋は大学近くや江南(カンナム)一帯で続々と登場している。

ペッチャンのパク・サンミン代表は「最初は勇気を出して訪問していたお客さんも、顔見知りになると常連客になる。日本のように一人でも料理を楽しめる一人客向けの店が文化として定着しつつある」と話す。



1人客に配慮した映画館もある。江南(カンナム)のメガボックスCOEXには列全体が隣の座席と離れている「シングル席」がある。メガボックスCOEXの全16館のうち6館の5列目が全てシングル席になっている。

シングル席は隣の座席との間にテーブルを置いて個別スペースを確保したもので、隣の人を気にせず映画にだけ集中できる。

メガボックスのキム・ソンフンマーケティングチームリーダーは「ひとり客が増えていく傾向に合わせて2013年からシングル席を設けた。最近はわざわざシングル席を予約するマニア客がいるほど良い反応を得ている」という。

※交通アクセス
1) 一麵(ソウル西大門区延世路5キル38): 地下鉄2号線新村駅の1番出口を出て現代百貨店方向に進んだら右折してすぐ
2) ペッチャン(ソウル麻浦区東橋路212-28): 空港鉄道弘大入口駅の3番出口から2ブロック進んで左側
3) メガボックスCOEX(ソウル江南区三成洞COEXモール地下1階): 地下鉄2号線三成駅の5、6番出口

コリアネット　ソン・ジエ記者
写真：コリアネット　ソン・ジエ記者、メガボックス
翻訳：イム・ユジン
jiae5853@korea.kr