[神奈川=田中智(日本)]
[写真=田中智]
コロナに閉ざされていた海外旅行への垣根がようやく低くなりはじめました。
9月、日本と韓国、それぞれの政府が海外旅行熱を再沸騰させる発表をしました。
まず韓国政府は、
・9月3日から韓国入国前のコロナ陰性証明書の提出義務を中断。
・すべての入国者は検疫情報事前入力システム(Q-code)を登録。
=重要= 9月30日、韓国政府は10月1日以降、入国後1日以内の検査を不要とすると発表。(変更注意・下部参照) これにより、短期滞在者(旅行者)も到着後のPCR検査が不要になりました。
そして日本サイドは、
・9月7日以降、有効なワクチン接種証明書を保持する全ての入国者については、出国前72時間以内の検査証明の提出が不要、と発表。
いずれも従来の出入国手順に戻る方策を取る発表で、まさに旅行者の背中を押すようなうれしい情報です。
到着後の検疫を待つ様子。スタッフも多くいるのでわからないことは尋ねましょう。
この発表以前に韓国政府は8月のソウル・フェスティバル開催に伴う「観光ビザ取得免除」措置が大きな効果を生んだことで、9月・10月にも「ビザ免除」の延長導入を決定、韓国好きを大いに喜ばせる発表をしたところ。
新しくなった日韓両国の出入国検疫・手続きなどがどうなったのか、この「ビザ免除」「ビザなし」期間を利用して、実際に渡航してみました。渡航したのは9月12日月曜、韓国ではチュソク(中秋)の4連休最終日となる日です。
コロナ禍では日進月歩で政府発表や判断が変わり、Web上の旅行情報のUPDATEが間に合わないような状態が続いている中、リアルな現地の「オンタイム情報」をお届けします。
まず出発にあたって必要な準備を記していきましょう。
なお今回は羽田~金浦で渡韓したので、金浦空港利用のケースを挙げておきます。仁川空港の場合、到着便数などがもっと増えますので所要時間に隔たりがある可能性があります。
出入国カードとともに機内でこの紙が配られますが、Q-code入力済みなら不要。
☀ 日本出発前準備
#1。ワクチン接種証明書(3回分・居住の市町村で出されたもの・帰国時に提示)
#2。K-ETA
(アメリカが2009年に導入したビザ免除プログラムを利用して渡米する旅行者の適格性を判断する電子システム=ESTAの韓国版。ホームページ、またはアプリで利用可能)
➞ これは2021年9月から導入されており、出発24時間前までに申請が必要。クレジットカードで10000ウォンの支払いが必要、2年間有効。
#3。Q-code(検疫情報事前入力システム。ウェブサイトに必要情報を入力、ワクチン接種などの情報をアップロード)➞入国時の手間が省けます。入力済みであれば機内で配られる黄色い紙の記入は不要。
航空会社カウンターのチェックイン時にこの3点が揃っていれば、スムーズにチェックインが完了します。#1、3に関して準備できない場合はそれを補う書面などを用意すれば問題ありません。
あとはいつも通りに出発です。
検査場は到着ロビー右端、旧1番出口周辺に新設されました。
☀ 韓国到着時
到着したフライトのドアを出た後の流れを記していきます。
【入国検疫検査】
コロナ禍以前は素通りだった自動で熱を測る機械などが置かれていた場所です。
Q-code提示の場合、メールにあるQRコードを読み取らせるだけでカンタンに終了。Q-codeがなければ機内配布の黄色い書面を提出する(この場合、口頭質問あり)。
金浦空港の場合、検疫所が小さく、3~4か所しかないため、混み合います。今回、時間帯的に自分たちのフライトの到着だけでしたが(おそらく100人ちょっと)、20分ほどの行列待ちとなりました。
【入国審査場】
パスポートとK-ETAを提示、韓国の場合、出入国には「自動化ゲート」が配備されているので時間はかかりません。
<顔写真><フィンガー・スタンプ(指紋)>を登録し、完了。このあと荷物を受け取るターンテーブルに進み、税関を抜け、流れるように到着ロビーへ。
=重要=
9月30日までは、「韓国入国後、24時間以内のPCR検査義務」というルールがありましたが、韓国政府は10月1日以降の入国後1日以内の検査は不要と発表。
これを受け、コロナ禍前の入国手順と同じく、PCR検査なしでそのまま市内へ行けるようになりました。
検査会場左手で「端末入力」、そのまま隣の窓口に流れ、会計処理。
ーPCR検査が必要、あるいは要望する場合ー
【PCR検査場】
9月7日、金浦空港にも「PCR検査場」ができました。空港でのPCR検査の流れを記していきます。
国際線到着ロビー右端、1番ゲート付近に新設、9:00~18:00・年中無休。オンラインで事前予約可能、また予約なしでも受診可能です。料金は80000ウォン。現金、クレジットカード、カカオペイなどにも対応しています。(仁川空港も同額で検査可能)
街なかの医療機関ですと60000ウォンぐらいから受診可能ということですが、到着後の不安、煩わしさから一早く解放されるのであれば、妥当な金額と思われます。
さらに右手に流れ、屋外に出ます。スタッフがたくさんいるのでわからないことは聞きましょう。
では検査場内での流れを記していきましょう。
#1。事前にもらった予約番号を端末に入力、あるいはその場で個人情報を入力する。
#2。確認後、会計へ。(日本円不可。クレジットカード可能)
#3。会計後、屋外の検査場へ ⇒ 検査完了後、市内へ。
なお、検査結果は午前9~12時までに検査した場合はその日の18時までに、12~18時までに検査した場合は翌日9時までに結果がメールで通知されます。
事前予約番号があれば、10分もかからずに終わってしまいます。
到着便にもよりますが、現在、到着便数の少ない金浦空港では一切混雑なく、手際よく終わります。また、担当者のほとんどが英語を解するので、韓国語に不慣れな方でも不安は少ないかと。在住の韓国人もよくわからず迷い込んでいるので、わからないことは臆せずに尋ねましょう。
その後、「NEGATIVE」という検査結果をメール受信すれば、楽しい韓国ステイを満喫するだけです。
検査場は屋外。隔離壁越しに検査を受け、終了。その後は市内へ。
またQ-codeの登録メールには宿泊エリア近隣の医療施設情報が送られてくるので、韓国語に不安のない方は、翌日にそちらからPCR検査を受けてもOKかと。
これまで韓国旅行を楽しんできた方なら、それに準じた形式の出入国手順に戻ったとお伝えしてもいいかもしれません。
こうカンタンとなるとビザなしの10月末までに飛んでしまうのもありかも。あるいはゆっくり「観光ビザ」を取得してこれからの韓国を満喫するのもいいかもしれませんね。コロナを恐れてばかりでは大好きな韓国が遠ざかってしまいますから。
検査終了後に渡される注意書き書面(英語のみ)
☀ 韓国マスク事情
街の中の状況はほぼ日本と同様です。
5月の時点で原則、屋外での着用義務はなくなりましたが、日本同様に着用したまま歩く人がほとんどでした。韓国政府は9月26日以降の屋外での着用義務を全面解除とすると発表しました、果たして人々の反応、街の情景は変わるのでしょうか。
義務ではないので特にアナウンスはありませんが、「MySOS」アプリの案内表示
☀ 「MySOS」アプリ
日本入国時には「MySOS」というアプリを入れておくと到着後の手順が楽になります。アプリなしでもかまいませんが、到着後、タブレット端末に同様の質問を入力、その後、検疫質問を経て、入国へ、と手間を踏むことになります。
また羽田の場合、この入力会場、質問会場が別棟となるため、空港内施設を到着時の疲れたカラダで歩かされることになります。(今回、アプリを入れなかったため、かなりの徒労を強いられなりました)アプリ一つでこれらの手順をショートカットできるのでオススメです。
Bon Voyage en Coree !
*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。
km137426@korea.kr