世界に広がっている新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ19)。韓国政府や韓国国民がこれまで助け合い、寄り添い合ってコロナ19を乗り越えようとするエピソードを描いた動画「韓国は不思議な国?」がネットで話題となっている。その不思議な国で活動している不思議な人々。彼らの不思議な話に耳を傾けてみよう。
|
4月18日、仁川市でコリアネットのインタビューに応じている李慧燦さん
[仁川=イ・ギョンミ]
[写真=キム・シュンジュ]
新型コロナウイルス感染者の治療を担当している韓国のある医療チームは7日、重い症状の感染者にコロナから回復した患者の血漿(血液の液状成分)を投与した結果、症状が改善したと発表した。
*血漿は血液から赤血球や白血球などを取り除いた成分のこと
このニュースを聞いて、喜びを感じた人がいる。治療に使われた血液を提供した李慧燦(イ・ヘチャン)さん。李さんは、出張で中国の湖北省武漢市を訪問し、新型コロナウイルスの拡大を受けて韓国政府が派遣したチャーター機で1月31日に、韓国に戻ってきた。帰国後、臨時に設けられた隔離施設で新型コロナウイルスの感染が確認され、すぐさま国立中央医療院に搬送され、治療を受けた。それから約20日後、新型コロナウイルスから回復した。
4月18日の午後、仁川(インチョン)のあるカフェで、コリアネットのインタビューに応じた李さんは、とても元気そうに見えた。
見返りを求めず、自分の血液を提供した理由を尋ねると、彼は「血液を採ることって、別に難しいことではないですよ」と恥ずかしそうに笑った。自分が恩恵を受けたことに比べると、たいしたことではないと話した。
李慧燦さんの腕に残っている採血のあと
「私に大きく影響したのはチャーター機でした。国が国民に配慮した措置だと思います。それに、治療費もゼロでした。その恩返しをしたいという気持ちで血液提供を決めました」
3月6日から3週間、5回にかけてソウルの病院を訪れ、自分の血液を提供した李さんは、「新型コロナウイルスの治療薬が一日でも早く開発されることを願う」とし、「これからもコロナから回復した患者の血液が必要であれば、どこでも行く」と付け加えた。
インタビューの最後に、李さんは、「毎日、防護服姿で、家族のように私の面倒を見てくれた医療スタッフに感謝を言いたい」とし、「看護師が私のために買って来てくれたおやつとインスタントラーメンの味は一生忘れない」と話した。
km137426@korea.kr