シュレーダー前首相(左)から自伝を贈られ、笑顔を見せている文在寅大統領=12日、青瓦台
[ゾン・ハン、ソン・ジエ、イ・ギョンミ]
[写真=青瓦台]
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は12日、青瓦台(大統領府)でドイツのゲアハルト・シュレーダー(Gerhard Schröder)前首相と会談し、韓国とドイツ両国の関係発展や社会改革、そして正しい歴史認識の重要性に関して意見を交わした。
文大統領は「昨日、シュレーダー首相が慰安婦被害者が共同で生活する施設『ナヌムの家』を訪問し、被害者を慰め、過去の歴史問題に関心を示したと聞いた」とし、「ドイツは過去の歴史問題に対する真の反省で過去の問題を理解し未来に進むことができたが、まだわれわれは過去の問題が完全に解決できていないようだ」と述べた。
シュレーダー前首相は、「私は日本が犯した蛮行が(慰安婦被害者の)おばあさん方に残した傷を見た。その方々と会い、多くの感動を受けた」とし、「日本がまだ謝罪していない部分について話した。被害者が望んでいるのは復讐や憎しみではなく、日本が歴史的にあったことを認めることだけだと聞いた」と説明した。その上で、「その方々の苦痛が歴史的に認められなければならないということを話してきた」と強調した。
ドイツのシュレーダー前首相と会談している文在寅大統領(右)=12日、青瓦台
また、「(今回の韓国訪問で)2番目に感動したのは映画『タクシー運転手』を見たことだ」とし、「青年たちが勇気を出し、命をかけて民主主義を勝ち取ることが一番感動的だった」と述べた。続いて、「過去の話も重要だが、現在の話も重要だと思う」とし、「新政権が発足し、大統領が経済や社会全般において変化と改革をもたらそうとしているようで、それは韓国を健全な方向へと再整備するものだと理解している」と話した。
これに対し文大統領は、「命をかけて光州(クァンジュ)の真実を世界に伝えたドイツのユルゲン・ヒンツペーター(Jürgen Hinzpeter, 1937~2016)記者の努力も光州(民主化運動の精神)を継承する大きな力になっていると思う」とし、韓国の民主主義のためドイツが努力してくれたことに対して感謝の意を表した。
また、シュレーダー前首相が触れた改革に関して、「新政権が推進している最低賃金の引き上げ・労働時間短縮を通じての雇用創出・所得主導成長・包容的成長などは今までの経済基調を変えるもので、不安を感じる国民もいるのが事実」とし、「疎通と説得で国民の不安を解消していくのが大事な課題だ」と答えた。続いて、「(改革の)成果は数年後に現れるものだが、この改革が必ずしも成功すると国民に約束したい」と述べた。
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