新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける市民ら=3日、ソウル、聨合ニュース
[イ・ギョンミ]
韓国の新型コロナウイルスワクチンの接種が加速している。政府の様々な取り組みが功を奏し、「11月までに集団免疫を獲得する」という目標の達成が見込まれる。
韓国国内で新型ワクチンを少なくとも1回接種した人が4日0時の時点で708万6292人。全人口に占める割合は13.8%。先月27日まで7%台(403万744人)だった接種率が、1週間後に2倍近く上昇したのである。
オクスフォード大学が提供する「アワー・ワールド・イン・データ(OurWorld in Data)」によると、2日時点で世界の平均接種率は11.1%。同日の韓国の接種率は12.4%で、世界の平均値を超えた。
韓国では、ワクチンの需給状況が安定した上に、接種に対する国民の認識改善、接種を促すための政府の優遇策などが働き、新型コロナウイルスのワクチン接種への道のりは軌道に乗っている。
新型コロナウイルスワクチンの接種率=アワー・ワールド・イン・データ
保健福祉部と文化体育観光部が先月31日発表した国民意識調査の結果によると、韓国の国民10人に7人はワクチンを接種する意向があるということが分かった。4月に行われた同調査の結果より7.8%ポイント上がった数値である。
政府は、ワクチンを接種した人に対する優遇措置を導入した。1日から接種を1回受けた人は、家族の集まりにおける人数制限が適用されず、介護施設での対面面会も可能となる。また、国立公園や文化施設などの入場料割引などを受けることができる。7月からは、1回でもワクチンを接種した人は、屋外でのマスク着用が免除される。
先月27日からスタートした余ったワクチンの予約システムも、接種を加速させている。予約のキャンセルや最少残留型(LDS=Low Dead Space)注射器の利用などで生じるワクチンを廃棄せず、接種を希望する人が予約できるようにした。電話や民間企業が運営するスマートフォンの地図アプリやインターネットサイトを通じて、どこで何回分のワクチンが余っているのかをリアルタイムで確認し、予約できる。このシステムによりワクチンを接種した人は2日時点で27万8282人に達した。
韓国ならではのこのシステムについて、NHKやテレビ朝日、日本経済新聞など、日本メディアは詳しく伝えた。特に、日経新聞は28日付の記事で「社会課題の解決にIT(情報技術)を機動的に活用する韓国らしい取り組みといえそうだ」と報じた。
韓米首脳会談での合意に基づき、米政府から韓国に提供される米ジョンソン・エンド・ジョンソンの製薬部門、ヤンセンファーマの新型コロナウイルスワクチンの予約も、17時間で90万人が予約した。
韓国の余ったワクチンの予約システム=3日、ソウル、イ・ギョンミ撮影
韓国政府はこれまで、計1億9200回分のワクチンを確保した。韓国の全体人口数を上回る9900万人への接種が可能な量である。
保健福祉部・中央事故収拾本部の社会戦略班長は3日の記者会見で、「上半期までに1300万人の1次接種を終わらせるという目標を上回ると見られる」と述べた。
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