文化

2014.04.07

海苔は韓国で一番馴染みのあるおかずの一つだ。多様な料理に応用することができ、おかずとしてとても有用だ。卵と一緒に焼いた「海苔卵焼き」や、エビやカタクチイワシなどと一緒に油で揚げた「チャバン」、甘辛いソースをかけて「海苔の和え物」などだ。このように、海苔は数多くの料理に活用できる。

동원F&B에서 김으로 만든 Sea Veggies가 해외에서 많은 인기를 얻고 있다. (사진: 동원F&B)

東遠F&Bの「Sea Veggies」が海外で大人気だ(写真提供:東遠F&B)

韓国ではおかずとして馴染みの海苔だが、海外では主におやつとして食べられている。東遠F&Bが製造するオリーブ海苔やわさび海苔、キムチ辛口海苔など多様な風味の海苔が外国人の舌を魅了している。特に、「海の野菜」を意味する「Sea Veggies」は、低カロリーでおいしい健康スナックとして子どもたちのおやつにぴったりだという評判が海外で広まっている。今年初めから米国の流通最大手「クローガー・グループ(Kroger Group)」の2700の店舗で「Sea Veggies」が販売されているほか、東遠F&Bの関係者によると、一部の公立学校のスナックコーナーでは調味海苔がおやつとして販売されているという。

現在、海苔は日本や中国、タイといったアジア諸国だけでなく、米国やカナダ、欧州にも輸出されている。中でも、海苔の消費が最も活発なのは米国で、ホールフーズ・マーケットやコストコ、ウェストサイト・マーケットといった大手小売流通チェーンの売場で販売されている。米国では、韓国産の海苔をOEM生産し、「カークランド」や「トレーダーズ・ジョー」といった自社ブランドの商標で販売されている。

米国だけでなく、日本やタイ、中国への輸出も活発だ。2013年末時点の輸出額は、米国が6108万ドルで、次いで日本(5414万ドル)、タイ(3352万ドル)、中国(3010万ドル)の順だった。

海苔は、韓国がこの数年間に輸出した農林水産品の中で最大の成長率を見せている。2007年時点で約5970万ドルにとどまっていた海苔の輸出は、2010年から急増し、2010年初めに年間輸出1億ドルを突破して以来、2011年は1億6149万4000ドル、2012年は2億3101万2000ドル、昨年は2億5千万ドルを超えた。この4年間で輸出が3倍以上に増えたのだ。

海藻類に属する海苔は、海中の岩などに付着して育つ。岩が服を着ているように見えることから、かつては「海の衣」と呼ばれていた。海苔は朝鮮半島最南端の全羅南道莞島郡で最も多く収穫されているが、この地域で収穫される海藻類は、韓国全体の収穫量の5分の4ほどを占めている。

완도 고금도 재래식 김 양식장의 모습 (사진: 완도군)

莞島郡の古今島の昔ながらの海苔の養殖場(写真提供:莞島郡)



海で採取された海苔は、通常180~200度の高温で5~30秒間焼き、加熱・乾燥過程を経て製造される。海苔は味もさることながら栄養も満点だ。脂肪が1%未満であるのに対し、タンパク質と炭水化物が30-40%含まれている。それだけでなく、海苔1枚には鶏卵2個分のビタミンAが含まれているほか、ビタミンB1、B2、C、Dも豊富で、他にもカルシウムやカリウム、鉄、リンといった無機質がかなり含まれている。

완도군 어부들이 물김의 출하를 준비하고 있다. (사진: 완도군)

莞島郡の猟師たちが水海苔の出荷を前に慌しい作業に追われている(写真提供:莞島郡)



世界の「海苔ブーム」に後押しされ、全羅南道の養殖場と韓国の食品企業の多くは、国産の海苔の種子を開発するなど、さらなる領域拡大を目指して取り組んでいる。

コリアネット イ・スンア記者
slee27@korea.kr