食・旅行

2021.08.20

山は新緑に染まり、花は生き生きと咲いている季節。散歩やランニング、ポタリングまでできる、ソウルのスポットを連載で紹介する。首都圏で暮らしている人、この時期にソウルを訪問している人は、眺めの良い場所で夏を満喫してみてはどうだろう。



[ソウル=キム・ヘリン、イ・ジェウン、チョウ・ジェヨン、イ・ギョンミ]

「Walk, Run, Ride Seoul」シリーズで最後に紹介するのは、ソウルでのポタリングスポットだ。ポタリングとは、目的地を特に定めることなく気分や体調に合わせて周辺を散歩程度に軽くサイクリングすることである。自転車の長所は、車では行くことができないソウルの隅々を見て回ることができるところだ。また、ソウル市内にはアプリで簡単に借りることができる「タルンイ」というレンタル自転車が所々にあるので、自転車を持っていない人でも利用することができる。

最初に訪れたスポットは松坡区(ソンパグ)にある城內川(ソンネチョン)自転車道路だ。松坡区の新川洞(シンチョンドン)付近から馬川洞(マチョンドン)まで約10キロのコースだ。コリアネットは中間地点のオリンピック公園からスタートし、クァンナル漢江公園(ハンガンコンウォン)までの6キロコースを走った。

地下鉄の2号線である蚕室(チャンシル)ナル駅の2番出口と、5号線と9号線のオリンピック公園駅の3番出口付近にタルンイ貸出所があるので、どこからでも出発することができる。

サイクルヘルメットをかぶり、ペダルを踏んだ瞬間、さわやかな草の匂いが鼻をかすめた。城內川に沿って走ると、背の高い木々が両側に並び、まるで緑のトンネルを通っているような気がした。トンネルを過ぎると、色鮮やかな草花が調和したきれいな道が続き、その先に漢江の風景が広がった。

川や公園の様子を眺めながら気持ちよく走れるのが魅力だ。きれいな景色を所々で見ることができ、うれしくて自然と笑みがこぼれてしまった。このコースは自転車道路と散歩道が離れており、歩行者とぶつかる危険性が少なく、とてもよかった。

ソウル市と京畿道の九里市の境目にある京春線森の道=ソウル観光財団


二つ目のスポットは、ソウル市・蘆原区(ノウォング)の月渓洞(ウォルゲドン)から、ソウルと九里(クリ)市の境目にあるダムト村まで続いている京春線森の道である。ソウル市と江原道(カンウォンド)・春川(チュンチョン)市を結ぶ京春線の列車が走っていた道だったが、2010年12月に廃線になり、その後ソウル市が昔の線路を残し公園として再整備した。

1号線の月渓駅1番出口から鹿川(ノッチョン)中学校方面に向かって7分ほど行くと、タルンイ貸出所がある。

スタート地点付近にある京春鉄橋を渡ると、路線を抱くようにして、ライラックとアジサイが満開の林道が続いている。汽車、鉄道、人、自転車が調和した姿がとても印象深かった。

この区間では、レールバイクに乗ってみることもできる。ユニークな経験がしたいなら、自転車を降りて鉄道の趣を感じてみよう。

韓国の汽車である無窮花(ムグンファ)が止まっている区間、街路樹が生い茂る区間、そして壁画が美しい住宅街区間をペダルを踏んで通り過ぎた。所々に、銅像や彫刻など、様々な造形物が青い草木と調和している。きれいだと思う区間で立ち止まり、記念写真を撮れるのもポタリングの長所である。

約6キロのこのコースで最も特別な場所は、花郎台(ファランデ)鉄道公園だ。ソウルの最後の簡易駅だった旧花郎台駅周辺を鉄道公園として造成した場所である。きれいな庭園があり、いろんな種類の昔の汽車が展示されている。

国家登録文化財第300号に指定された旧駅舎は乗車券売り場、列車時刻表などが展示され、昔の簡易駅の様子を見ることができる歴史館となっている。ただし、公園内では自転車に乗ることはできない。入口にあるタルンイ貸出所に自転車を返却し、公園の周りを見るのを見ることをおすすめする。

心地よい風を感じながら、駐車の心配なく自由に立ち止まれるポタリング。自分にぴったりのヘルメットとタルンイアプリさえあれば準備万端。コロナ禍で旅行ができない今、一人で旅行できるポタリングを通して涼しい風に当たり気分転換をしてみよう。

ソウル市公共自転車レンタルサービス「タルンイ」 


ソウルの所々に外国人も簡単に利用できる公共自転車レンタルサービス「タルンイ」が設置されている。「ソウル自転車タルンイ」アプリをインストールしたあと、クレジットカードで利用券を購入し、近くのタルンイ貸出所で自転車に表示されているQRコードをスキャンすれば利用できる。1時間利用券は1000ウォン(約94円)、2時間利用券は2000ウォン(約187円)、終日券は5000ウォン(約470円)、年間利用券(1時間券)は3万ウォン(約2800円)だ。利用時間を過ぎた場合、5分当たり200ウォン(約19円)が課金される。

大人用の自転車だけでなく、子供用の自転車も用意されていて、子供と一緒に出かけるのにも最適である。アプリやソウル自転車タルンイホームページ(https://www.bikeseoul.com)で貸出所の位置と自転車の台数を事前に確認することもできる。アプリとホームページは英語、日本語、中国語、韓国語で利用できる。


kimhyelin211@korea.kr

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