「2023槐山キムジャン祭り」で「ワンストップ・キムジャン漬け」の参加者たちが白菜を手にポーズを取っている=3日、忠清北道・槐山郡
[槐山=シャルル・オドゥアン]
冬の間に食べるキムチを大量に漬けることを「キムジャン」と呼ぶ。キムジャンは、キムチが発酵するように冷たい風が吹き始める秋の終わりごろから冬の初めごろに行う。今月3日、ソウルから車で2時間の場所にある忠清北道・槐山(クェサン)郡で開かれた「槐山キムジャン祭り」の「ワンストップ・キムジャン」に参加し、白菜キムチを作ってみた。
同日午後1時50分頃、会場である槐山総合運動場に到着し、衛生帽子、エプロン、ゴム手袋を受け取った。これでキムチを漬ける準備が整った。3つのエリアに分けられたキムジャン体験場には、エリアごとに15個程度のテーブルが置かれており、テーブルごとに参加者2~3人がスタッフの案内に従ってキムジャンに取りかかった。ほとんどが家族で参加した人たちだった。
今回のプログラムでキムジャンの説明を担当したクォン・ジョンヒさんは、「キムジャンは一人でするにはかなり大変な作業なので、家族やご近所と一緒にやって、漬けたキムチを分け合う文化がある」と説明した。 続いて「仕事でフランスによく行く次男に、毎年キムジャンのキムチを送っている」とほほ笑んだ。
「2023槐山キムジャン祭り」で「ワンストップ・キムジャン漬け」の参加者たちが、白菜にキムチのヤンニョムをまんべんなく付けている=3日、忠清北道・槐山郡
キムジャンをするには、まず塩漬けした白菜の水気をしっかりと切らなければならない。この日は塩漬け状態の白菜がすでに用意されており、白菜をザルに広げ水気を切るだけで済んだ。続いて白菜を半分に切った後、キムチのヤンニョムがよくしみ込むように、白菜の根元の部分に半分ほど切れ目を入れた。
今回のプログラムはワンストップのキムジャンであるだけに、キムチのヤンニョムもすでに用意されてあった。ヤンニョムには、唐辛子粉、塩辛、ワケギ、からし菜、ニンニク、大根、ゴマなどが入っている。クォンさんは「さっぱり甘みがあるキムチにするためには、梨をミキサーにかけて入れれば良い」とコツを教えてくれた。
すべての材料がそろったら、本格的なキムジャンが始まる。塩気が抜けた白菜1株をザルから取り出し、一番小さな白菜から1枚1枚葉を広げながら、キムチのタレであるヤンニョムをまんべんなく塗った。クォンさんは「白菜の葉が分厚い根元部分には、ヤンニョムを多めに塗り、葉が薄い先端部分には少なめに塗った方が、キムチの味が良くなる」と説明した。
キムジャンの途中にキムチの味見を数回した。キムジャンキムチは長い間、時間を置いて食べるため、普通のキムチより塩が多目でしょっぱかった。塩加減をどう調節すればいいのか尋ねると、クォンさんは笑いながら「それは経験を積まないとわからないね」と答えた。続いて「キムチをたくさん作れば作るほど、キムチの味にどのようにバリエーションを加えればいいかわかるようになる」と付け加えた。
白菜にヤンニョムをまんべんなく塗ったら、一番長い緑色の葉で株全体を包む。保存容器にビニール袋を敷き、その中にキムチを株ごとに重ねて詰める。最後にビニール袋の空気をきちんと抜いてから、ふたをする。
キムチは空気に触れると、白い酵母が出てきたり、カビが生えやすくなり、独特な匂いも出てくる。そのため、容器に入れる時は白菜の内側の部分を上に向けて空気との接触をできるだけ防ぐようにする。
キムジャンで最も重要なことは何か質問すると、クォンさんは「漬けたキムチを容器に入れて、キムチ冷蔵庫に保管すること」とし「キムチが発酵するのにピッタリの温度が一定に維持され、キムチを長期間おいしく保管できる」と説明した。続いて「キムチは発酵する過程で、乳酸菌ができ健康食品になる」と話した。
この日、家族と一緒にキムチ20キロを直接漬けたキム・サンファンさんは「昨年、こっちに引っ越してきて槐山キムジャン祭りを偶然訪れたが、キムチがサッパリしていて、本当においしかったので、今年もまた来た」とし「槐山はもちろん、親戚が住んでいるほかの地域でも、一緒にキムジャンをする」と話した。
夫婦でキムジャンに参加したソ・ユジョンさんは「夫の実家が槐山なので、槐山のキムチを食べている」として「白菜と唐辛子粉の味があっさりしていて、他の地域のキムチよりさっぱり感があるので大好きだ」と話した。
この日、キムチ10キロを漬けるのにかかった時間は約1時間。材料はすべて下ごしらえが終わっていたため、時間と手間を大幅に省くことができた。
キムジャンは難しいと思うのなら、キムジャン祭りに参加することをおすすめする。今月の地域別キムジャン祭りには、江原道・平昌(カンウォンド・ピョンチャン)で12日まで開かれる「2023平昌高冷地キムジャン祭り」と全羅北道・全州(チョルラブクト・チョンジュ)で24~25日に開かれる「2023全州キムジャン文化祭り」がある。
コリアネット記者が教えるキムジャンのコツ
# ゴム手袋とエプロンはマストアイテム!
キムチのヤンニョムが服につくと落ちにくいので、ゴム手袋とエプロンは欠かせない。万が一のために、明るい色の服よりは暗い色の服を着ることをおすすめする。
# キムジャンキムチには、ぜひスユクを一緒に! キムジャンキムチと相性ピッタリの料理は、ずばり豚肉を茹でた韓国料理のスユク。玉ねぎ、長ネギ、丸ごとサムギョプサル(豚バラ肉のかたまり)を入れて1時間ほどじっくり煮れば完成。
# キムジャンの出来が悪かったら?
キムチの味がイマイチだったとしても、ガッカリするのはまだ早い。味付けがしょっぱすぎる場合は、ヤンニョムを洗い流して白キムチにしたり、チゲにするなどアレンジはたくさんある。発酵の過程でも味がさらに深まるので、いろいろ工夫してキムチ料理を楽しもう。
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