政策

2024.05.01

少子高齢化で人口減少と地方消滅の危機感が高まる中、各自治体が問題の解決に向けて外国人誘致に努めている。写真は、国会議政館で「地方消滅危機、実践的方向と代案」をテーマに開かれた国会セミナーで発言するイ・チョルウ慶尚北道知事の様子= 2023年11月22日、慶尚北道

少子高齢化で人口減少と地方消滅の危機感が高まる中、各自治体が問題の解決に向けて外国人誘致に努めている。写真は、国会議政館で「地方消滅危機、実践的方向と代案」をテーマに開かれた国会セミナーで発言するイ・チョルウ慶尚北道知事の様子= 2023年11月22日、慶尚北道


[ユン・スンジン]

少子高齢化で人口減少と地方消滅への危機感が強まっている。

統計庁は昨年、「将来の人口推計」という資料を発表した。これによると、韓国の総人口は2050年には、4千711万人に減り、2072年になると4千万人台にまで落ち込むと予測されている。特に、首都圏外の多くの地域で人口減少問題が深刻化しており、韓国社会に警鐘を鳴らしている。 韓国雇用情報院が昨年発表した「地方消滅危険指数」は228の全国市郡区のうち、52%に当たる118の非首都圏を「消滅危険地域」として分類した。韓国雇用情報院が昨年発表した「地方消滅危険指数」は228の全国市郡区のうち、52%に当たる118の非首都圏を「消滅危険地域」として分類した。

各自治体が移民政策専門の担当機構を新設し、外国人の誘致や定着モデルを開発するなど、外国人の誘致に必死になっている。人口減少問題を解決し、地域経済を活性化するためだ。

各自治体が外国人を誘致するために、多様な留学、就業、起業制度を導入した。忠清北道の場合、来年までに外国人留学生1万人を誘致するために「忠北型K-留学生制度」を施行中だ。=忠北大学校

各自治体が外国人を誘致するために、多様な留学、就業、起業制度を導入した。忠清北道の場合、来年までに外国人留学生1万人を誘致するために「忠北型K-留学生制度」を施行中だ。=忠北大学校


まず慶尚北(キョンサンブク)道が昨年、地方時代における政策局の傘下に外国人共同体科を新設した。各種移民・外国人政策を展開する。慶尚北道は今年2月、慶尚北道立大学にグローバルハングル学堂を開設した。外国人留学生や労働者などが、安定的に地域へ定着できるように、支援に乗り出したのだ。2日には、全国の自治体の中で初めて総合移民政策を発表した。移民者の誘致から留学や就職・起業、定着に至るまで移民者を対象に様々な支援を行っている。

慶尚南(キョンサンナム)道は、製造業における働き口不足の問題を解決するために努めている。今年、目標とする外国人産業人材は6万7000人。きめ細かく人材を管理する予定だ。造船業や宇宙航空分野におけるビザの配当量を新設するよう政府に申請し、今年1月に確定された。外国人人材の協議体を構成し、外国人労働者が安定して生活できるように支援する案も模索している。

忠清北(チュンチョンブク)道は今年1月、「忠清北道型K-留学生制度」を設けた。人口減少をめぐる道内大学の学生不足を解決するためだ。主な目的は、外国人留学生に安定的な働き口を提供し、学業や仕事を両立できるよう支援することだ。外国人修士・博士課程に選抜された50人余りには授業料を全額免除する。また、韓国語の語学研修も行う。忠清北道はこのような制度を活用し、2025年までに外国人留学生を1万人まで誘致するという。

全羅南(チョルラナム)道は、昨年、地域消滅の危機に対応し、「組織整備計画」を発表した。全羅南道は既存の「人口青年政策官」を「人口青年移民局(3級TF)」に格上げし、人口政策課や青年希望課などを追加で配置した。特に政府の出入国・移民管理庁を設置するとの発表に歩調を合わせ、全羅南道も人口問題の解決に向けて「移民政策課」を追加で設置することにした。さらに、3月には、外国人材(E-7)雇用比率の算定基準を改正し、外国人人材の需給を活性化することに拍車をかけている。

江原(カンウォン)道も昨年12月、外国人政策タスクフォース(TF)を新設した。外国人労働者の中でも熟練技能人材における革新的な拡大案(K-point E74)を広域自治体が推薦する制度や地域特化型ビザなど、自治体が推薦するビザ事業の推進に向けて準備に乗り出した。今年の上半期までに、均衡発展課に「外国人政策TF」を正式組織に改編する。外国人および移民政策の樹立、外国人の誘致活動などを進める予定だ。

大邱大学校体育館で開かれた地域特化型ビザ留学生就職博覧会で、主催側の説明を聞く外国人留学生たち=2023年3月17日、慶尚北道・大邱、慶尚北道

大邱大学校体育館で開かれた地域特化型ビザ留学生就職博覧会で、主催側の説明を聞く外国人留学生たち=2023年3月17日、慶尚北道・大邱、慶尚北道


法務部も、各地方自治体が行っている外国人誘致への努力に対応し、「地域特化型ビザ制度」を2022年に導入した。今年は地域優秀人材(Fー2ーR)と地域特化同胞(Fー4ーR)の2種類のビザタイプで事業を運営する。事業には60以上の自治体が参加している。

地域優秀人材タイプは、1人当りの国民総所得(GNI)の70%以上に当たる所得または国内専門学士以上の学歴を備えた外国人が5年以上募集地域に居住し、就職や起業を希望する場合に申し込むことができる。さらに、韓国語能力試験3級以上の取得などの要件も必要だ。地域特化同胞タイプは、募集地域に2年以上居住するという条件が付く。対象になるのは、60歳未満の外国国籍同胞だ。

忠清南道の働き口起業支援課のチョン・ミョンオク課長は、3月に開かれた「地域特化型ビザ事業担当公務員懇談会」で、「人手不足の解消に向けて、地域特化型ビザ事業を積極的に活用する。協力体制を整え、外国人材の受け入れと定着を促したい。

scf2979@korea.kr