固体物質中の電子の暗黒状態=キム・グンス教授
[オ・グムファ]
韓国の研究陣が「暗黒電子(Dark states of electrons)」の存在を世界で初めて発見した。
科学技術情報通信部は29日、延世(ヨンセ)大学のキム・グンス教授が率いる研究チームが「暗黒電子」の存在を発見したと明らかにした。「暗黒電子」は、固体物質の中で、光では観測することができない。
29日(現地時間)、国際学術誌の「ネイチャー フィジクス」には、「暗黒電子」の研究について掲載された。今回の研究は、科学技術情報通信部の基礎研究事業の支援により行われた。
「暗黒電子」とは、暗黒状態で光を吸収したり放出したりしないため、観測が難しい物質だ。
今まで「暗黒電子」は原子や分子だけに存在すると考えられてきた。つまり、原子が規則的に配列された固体物質の中では、電子が暗黒状態で存在することは、不可能だと考えられてきたのだ。
研究チームは、4年間の研究を通じて、電子の暗黒状態を説明するモデルを考案した。さらに、固体物質の中でも「暗黒電子」が存在する可能性があることを明らかにした。
キム教授は「固体中の暗黒電子の存在は、見えない存在を認識したというレベルを超え、今まで説明できなかった量子現象を理解する手がかりになる」とし、「今回の成果を土台に、現代物理学の長年の難題である高温超伝導の秘密を解くことに挑む」と話した。
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