[ソウル＝ホン・ギル、アフメトジャノヴァ・アイスル]
[写真＝キム・シュンジュ]
[映像＝イ・ジュンヨン]

酒杯に注がれるミルク色のマッコリ、真っ黄色の薬酒、透明な焼酎など。KOREA.net名誉記者たちは、韓国の酒道に従い、袖先を片手でおさえて一口飲む。酒が喉を通るたびに感嘆する。

KOREA.net名誉記者７人は今年４月１日、韓国伝統酒を試飲するため、ソウル・鍾路（チョンノ）区の安国（アングク）駅近くにある「伝統酒ギャラリー」を訪問した。酒に対する関心度、愛情のほかに、韓国酒を飲んだことがあるか、といった様々な条件のもと選ばれた７人である。

この日、試飲会に参加した名誉記者たちの国籍は、ロシア、セルビア、ベトナム、ナイジェリア、シンガポール、香港、フィリピンと、皆それぞれ違うが、「酒好き」という共通点がある。韓国に住んでいる７人の平均酒量は焼酎２瓶（１４杯）。自国の酒はもちろん、焼酎やビール、マッコリなど、たくさんの種類の酒を楽しんでいるという。釜山（プサン）から来たシンガポール出身の名誉記者のニオ・フイイン氏は「韓国に来て生のマッコリを飲んでからは、マッコリを勉強したいと思うくらい魅了された」と話した。

家族がラキヤ（バルカン半島地域の伝統酒）の醸造所を営んでいるというセルビア人の名誉記者イシドラ・シメウノビック氏は「今まで飲んでいた焼酎やビールはアルコール度数が低く、濃厚な味わいが感じられず、一味足りないと思っていた」とし、「もっと素晴らしいお酒が韓国にはあるのではないかと思って応募した」と語った。香港出身のモン・シャオイン氏は「キムチについて学ぶ授業は多いが、酒の歴史や味などについて学ぶ機会はほとんどない」と話した。


伝統酒ギャラリーは、農林畜産食品部と韓国農水産食品流通公社が韓国伝統酒の価値を広めるために運営するスペース。濁酒や清酒、蒸留酒、果実酒など、韓国の様々な伝統酒が紹介されている。

この日、試飲のために用意された伝統酒は、ムンベ酒、安東焼酎、沔川杜鵑酒（ミョンチョンデゥギョンジュ）、韓山素穀酒、金井山城マッコリ、ソン・ミョンソプマッコリの６種類。すべで無形文化財に指定されている酒だ。生産地域も考慮された。どれも銘酒として有名な酒であるが、流通網がうまく構築されておらず、一般的にあまり見かけないという共通点がある。名誉記者たちは、釜山を代表する「金井山城マッコリ」以外の酒は、一度も飲んだことがないという。


試飲は、アルコール度数が低い濁酒から清酒、蒸留酒の順で行われた。ソン・ミョンソプマッコリを飲んだアナニナ・ソフィア氏は「今まで飲んだことのある甘いマッコリとは全然違う」と話した。今回の試飲会に参加する前から、春にふさわしい酒を探していたというナイジェリア出身のアイヤンヨ・ティティ氏。彼女は、沔川杜鵑酒を味わい、「花の香りがする。とても爽やか。やっと春にピッタリの酒を見つけた」と語った。同じ酒についてモン氏は「蒸留酒なのに、ワインのようにまろやかな味わいで、かぐわしい」と話した。

ムンベ酒を一口飲んで、悩む７人。ムンベ酒からする独特な香りの正体を明かすために必死になった。伝統酒ソムリエが「正解は梨です」と言うと、「そうだ！梨の香りだった」と声をあげ、何度も味わった。最後に、安東焼酎を飲んだ人は、高いアルコール度数の酒であるにも関わらず、のどごしが良いことに驚き、「いつも飲んでいた焼酎と全く違う」と話した。


この日の試飲に参加した名誉記者たちは皆「韓国酒に対する考えが変わった」と話した。シメウノビック氏は「今までは、あまり焼酎が好きではなかったが、それは普通の希釈式の焼酎だった。今日、高品質の蒸留式焼酎を飲んで、韓国焼酎のファンになった」と話した。ニオ氏は「韓国の酒は、焼酎とビールしかないと思っていた。でも、今日ここに来て、本当に種類が多いということが分かった」とし、「韓国にいる間に、できるだけたくさんの種類の酒を飲んでみたい」と話した。

試飲会に参加する前、「韓国酒は、味を吟味するというより、酔うのが目的だと思う」と話していたロシア出身のソフィア氏。「コンビニなどで買える大量生産の酒とは違い、今日味わった酒は、どれも伝統的な造り方を守ってきたためか、深い味わいがあする」とした。また、「焼酎も伝統が感じられ、味も独特だった」と話した。


韓国伝統酒は、韓国産農産物を材料にして造った酒で、文化財庁が酒の歴史や味、造り方、環境など様々な条件を評価し、その伝統性が認められたうえで、韓国伝統酒に指定される。伝統酒ギャラリーのナム・ソンヒ館長は「（韓国の）伝統酒は、韓国人になじみ深い米で造られているため、韓国人を理解するのに役立つだろう」と話した。

kalhong617@korea.kr