文化

2024.10.16

ノーベル文学賞の受賞後、スウェーデンメディアのインタビューに応じた小説家ハン・ガン=スウェーデンテレビ公式ホームページ

ノーベル文学賞の受賞後、スウェーデンメディアのインタビューに応じた小説家ハン・ガン=スウェーデンテレビ公式ホームページ


[パク・ヘリ]

ノーベル文学賞に選ばれた小説家ハン・ガンが13日(現地時間)、受賞後初めてメディアのインタビューに応じ、「今は注目されたくない。執筆に集中したい」と述べた。

スウェーデンの公共放送SVTによると、ハン氏は自宅で行われたインタビューで「この賞の意味について考える時間が必要だ」という。

英語で行われたインタビューでハン氏は、ノーベル文学賞が発表された直後のことに言及し、「ノーベル賞委員会とインタビューした時には冗談だと思っていたが、最終的に本当だと気づいた」と語った。

受賞後、インタビューや記者会見を断ってきたハン氏に「なぜ受賞を祝いたくなかったのか」と記者が聞くと、ハン氏は「祝う気がなかったわけではない。息子と一緒にカモミールティーを飲みながら(受賞を)祝った」と答えた。むしろ「どうしてあのように思ったのか」と聞き返した。

これに対し記者が、ハン氏の父親で小説家のハン・スンウォンさんが韓国メディアに対し、娘が世界の情勢(ロシアのウクライナ侵攻など)が緊迫しているので祝いたくないと話したと伝えた。すると、ハン氏は「何か話の行き違いがあったようだ」とし、「その日の朝に父に電話した時、父は近所の人々と大きな祝宴を開こうとしていたが、私は、それをよく思わなかった。そのため、そのような大きな祝宴をしないように伝えた」と説明した。

続けて「私は静かにしていたい。世の中には多くの苦痛があり、私たちはもう少し静かにしていなければならない。それが私の考えなので祝宴を開かないようにと言ったのだ」と話した。

悲惨な歴史的事件に直面し、私たちが学ぶことは何かという質問に「私たちは歴史を通じて、言葉を通じて学ぶ機会がたくさんあったが、明らかに(悲惨なことが)繰り返されているようだ」とし、「少なくともいつかは過去から学んでくれることを願う。私たちが殺人を止めなければならないことは、私たちが学んだことの非常に明確な結論だ」と強調した。

ハン氏は、今回の受賞が自分にとって特別な変化をもたらすとは思わないという趣旨の話もした。ハン氏は「私は1年に小説1編も書くことができない。最新作の『別れを告げない』は完成まで7年かかった」とし、「これからも、時間をかけて執筆していくつもりだ。今までと何も変わらないだろう」と話した。

今年12月に開催されるノーベル授賞式に出席する予定のハン氏。「(選考委員会から)エッセイを書かなければならないと聞いた。現在執筆中の短編小説を、今月末か来月初め頃までに仕上げた後に書き始める予定だ」

hrhr@korea.kr

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